2021年2月15日月曜日

JB23 4型ジムニーのナックルオーバーホールに挑戦

2021/02/14 JB23 4型ジムニーのナックルオーバーホールに挑戦してみた!


先日の車検前整備で見つかった最も重症と思われる不具合、ナックルからのデフオイル漏れを修理すべく、ナックルオーバーホールに挑戦してみることにした。
なお車両は平成16年式、走行約87,000km。



なんか最近ホイールが汚えなあと思ってたんだけど、車検整備でふとナックルを見上げるとこの有様だったw 漏れは特に左がひどく、キングピンから滴ってタイヤまでオイル汚れが付いていた。右もなんとなくホイールが汚れていたので漏れていたと思う。これだけ漏れてたらデフオイルの量が減っちゃってただろうなあ。

作業はYouTubeを参考にした。特に最近はしゅんしゅんガレージさんの動画を参考にさせていただいている。最高に丁寧に真面目に作ってある整備動画なんでオススメ!しゅんしゅんさんありがとう(^o^)/



今回作業に当たり購入した部品や工具、消耗品。
スナップリングプライヤー(俺は間違えて穴用を買っちゃったけど、この作業には軸用が必要)
シールプーラー
E10トルクスソケット
タイロットエンドセパレーター
貫通マイナスドライバー
キングピンベアリング スズキ純正部品 09265-15006 4個
シャフトオイルシール 武蔵オイルシール工業 Z6111 2個
リチウムグリース400g 2個
モリブデングリース400g 1個 など
ナックルシールは以前購入したジャダーストップフルキットのが余っているのでそれを使った。


自分が作業中に確認するためにまとめた作業内容は概ね以下のような感じ。
フロントデフオイル抜く
左右エアーロッキングハブ緩め
左右ホイールナット緩め
デフをジャッキアップ
ウマかけ
ホイール外す
ブレーキキャリパー外しS字フックに引っ掛ける
ブレーキブラケット外す
エアーロッキングハブ外す スナップリングとプレート外す
ABSとエアーのブラケット外す
ABSセンサー外す
エアーホース2本、どちらかかわかるように印を付け外す
タイロットエンド外す
(助手席側のみ)ドラッグリンク外す
ナックルシールのボルトを外す
下キングピンナットだけ外す キングピンは抜かない
上 キングピンナット外す。 少しグニグニ引っ張り上げておく まだピンは抜かない
下キングピン抜去
ナックルを手で支えながら上キングピン抜去
ナックルを手前に抜き取る
ナックルシール3点を外す
アクスルシャフトを引き抜く
ナックル内部清掃
上下ベアリングレースをマイナスドライバーで叩いて抜去
オイルシールをマイナスドライバー叩いて壊して抜去

新品オイルシールを取り付け
上下ベアリングレースを叩き入れる
ナックルシール3点をぶら下げる
等速ジョイントにモリブデングリスを塗る
アクスルシャフトを差し込む
ナックル内部にグリスを詰め込む
キングピンの座金との接合部に液体ガスケット塗布
キングピンベアリングにグリスを塗り込み上下に装着
ナックルを取り付ける
上のキングピンを差し込めば落下しない
下のキングピンを取り付けるボルト締め
上のキングピンをステーと一緒にボルト締め
ステーにエアホースとABSセンサーを取り付け
ナックルシールを金属部品の切り欠きが上になるよう取り付け ボルト締め付け
ABSセンサーを取り付け
ドラッグリンクとタイロッドを両方とも差し込んでから、締付け
エアーホースを取り付け
エアーロックングハブのプレートとスナップリングを取り付け
エアーロックングハブ取り付け 仮締め
ブレーキブラケット、キャリパー取り付け
ホイール装着 仮締め

運転席側に同様の作業をする

ジャッキダウン
エアーロックングハブ本締め
ホイールナット本締め
フロントデフオイル注入

うーん。なかなかの重整備ですな(^-^;)
以下、オイルでベトベトになりながらなんとか撮った写真とともに感想など。今回は運転席側から作業した。



まずデフオイルを抜いた。新品のようにきれい。ドレンボルトのマグネットには鉄粉が結構付いていた。



左右エアーロックングハブを緩めるソケットがハブに干渉して難しかった。回せないことはなかったが傷だらけになったので、本来はディープソケットが必須の作業箇所かと。



ブレーキキャリパーを車体にS字フックで引っ掛けておいた。



エアーロックングハブの中身ってこうなってたのか!



タイロッドエンドプーラーって初めて使ったけど、急にバキン!と大音響で外れるので怖かった(^-^;)さほど固くもなかったので、いらないナットを付けてハンマーで上から叩けば外れたかも知れない。



ナックルシールのゴムが劣化してびろーんってなってた(^-^;)交換して悔い無し!w



ナックル取れた!アクスルシャフト抜けた!すげー!
内部のグリースは乳化して固くなってた。これでは潤滑能力は低そう。



これがキングピン。ガスケットのカスを頑張って除去した・



キングピンベアリングは上下とも錆びて指では動かなかった(^-^;)



なお助手席側はもっとひどくて、上側のキングピンが錆びてベアリングと固着しており、タガネで叩かないと外せなかった。おかげでキングピンが傷ついてしまった(^-^;)ナックルを外してみるとベアリングが破壊され、中身が散らばっていた。ぱない。



おー!これがアクスルシャフトか!なんだか感無量。ジョイントにモリブデングリースを塗った。



グリスを掃除したらめっちゃきれいに(^o^)/



シールプーラーでシャフトオイルシールを外した。
あとベアリングレースは貫通マイナスドライバーで叩いて外した。



ベアリングレースも錆びてかなりやばい状態。デフオイル漏れの原因であるオイルシールは意外と見た目は新品と変わらない感じ。



新品のオイルシールとベアリングレースを打ち込んだところ。気持ちがいい!



アクスルシャフトを入れ、ナックル内部にリチウムグリースをこれでもかと押し込んだ。
結局左右でちょうど400g使った。



キングピンには液体ガスケットを塗って差し込んだ。
あとは逆の手順で元に戻していく。デフオイルを入れるのを忘れずにw



ジャダーストップフルキットのリングは再装着。ナックルシールの一番外側の金属の輪っかも再使用なので小汚いが、内部のゴムパッキンなどは新品になった。
仕上げにシリコンオイルスプレーを吹いておいた。
これで完成!

作業時間としては左右で8時間くらいかかったかな(^-^;)
難しかったのはキングピンが固着して抜けない問題と、工具を間違えて買ったためスナップリングが外せない問題。
立ったり座ったり、寝転んだり起き上がったりで重度の筋肉痛になった(^-^;)
デフオイル漏れを直そうとして始めたオーバーホールだったが、すべての部品が極度に劣化していたので、心からやってよかったと思えた。
多分この車両は17年間一度も行っていなかったと思うが、この作業は10年に1回位はやったほうが良いんじゃないかと思った。
あと、ナックルオーバーホールはプロに頼むと5万円くらいらしいが、今回は工具も含めて1万円くらいでできたのでDIYのしがいのある作業だと思った(^o^)

実際に走行してみたところ、とりあえずナックルからのデフオイル漏れは直った(^^) あと、感触としてややステアリングがセンシティブになったかな?という印象があったが、まあほとんど気にならないレベル。もちろんジャダーは発生しない。

まとめ。ナックルオーバーホールは多くの劣化した部品が新品になりとても達成感がある作業だった。

【追記】
2021/02/28
走行に支障はないものの、助手席側上部の固着していたキングピンを新品に交換した。



右が叩き出した方。こんな感じに数カ所傷がついたのでヤスリで削って平滑にして使ってた。ピン自体は無傷だったものの、叩いたことで歪んでたら嫌だなと。
取り付けるときにもかなり固くてネジで入れていったような感じだったので気持ち悪かった(^-^;)
左がスズキ純正の新品(45610-63002)。モノタロウで4,300円くらいだった。
さすが新品。取り付け時にスポッっと入った。これでスッキリした(^o^)/

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